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月光回路と色温度・星空の雰囲気を表現する方法

2012年10月16日 20:00

月明かりに照らされた景色が青みがかって見えるのはなぜなんだろう?
月の光に青色の成分が多く含まれているから?

月光は青色の成分が多い・・・もっともらしい説明に聞こえるけれど、実は月光のスペクトルにはむしろ赤色が多く含まれているため、人間の目に青く映ることの説明にはならないとされている。

その答えを求めて続けられている近年の研究によれば、人間の目に備わっている感光のための二種類の細胞、桿体細胞と錐体細胞の間には、ちょうど月夜のような微弱な光量の時にだけ働く特殊な回路が存在するらしい、ということがわかってきたそうだ。

「月光回路」と命名されたこの回路の存在によって、輝度情報の約20%が”青み”として加えられることになるのではないかと考えられており、今もなお研究は継続されている・・・

月が蒼く見える理由
...Radium Software Developmentより



月光に限らず星空のような微弱な光量条件の撮影においては、やはりこの月光回路の存在を無視しないわけにはいかないんじゃないかな、と考えるようになった。

どうもホワイトバランスを”太陽”や”オート”にした状態では、赤みが強すぎるように感じられてこんなはずじゃない(星空の雰囲気が出ない)と思っていたところだった。それがオレンジ色をはじめとした街灯などの映り込みよるものだと思い込み、本当に人工光がないような真っ暗な場所に行かないかぎり星空写真は無理かもしれないと諦めかけてもいた。


しかし星空撮影では、上記の月光回路仮説からも色温度を下げてやる(=青みを強調する)ことが雰囲気を再現する上で重要で、人間の目の光の処理方法からしてもごく自然で理にかなっていそうだ。そこで撮影条件に反映させることを検討・・・Sony NEX-5では、色温度・カラーフィルターという形でホワイトバランスを調整する項目の中から選択できるようになっている。

これらのことを念頭に置いて、星空や月光写真を撮影するときにはセッティングしていきたい。
次に満天の星空を撮影できるチャンスに巡り会えた時のための備忘録・・。

「メニュー→明るさ・色合い→ホワイトバランス→色温度・カラーフィルター→オプション をクリック
色温度を、低め(3400K付近)に設定」



実際にホワイトバランスを変化させて撮影した画像を比較してみても、どちらがより良く満天の星空の雰囲気を表しているかが一目瞭然なんじゃないかな。自分の目にも備わっている”月光回路”を再認識。




■WB SUN

DSC06082.jpg





■WB 3400K

DSC06083.jpg

Sony NEX-5 E16+VCL-ECF1 Fisheye ISO 6400 F2.8 10.0s




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