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「吉里吉里祭り」考。

2011年07月11日 23:11

吉里吉里では例年、お盆の次の日曜に年に一度のお祭りが行われる。
(数年前までは土日に関係なく8月17日だった。)

吉里吉里には3種の伝統芸能がある。その3つとは、鹿子踊り、虎舞、そして大神楽。それぞれ個性的で特徴があり、おもしろい。どういうわけでこの3つが共存して今に伝えられているのかという歴史の部分にも興味がある。僕は小学校高学年~中学の3年間のあいだ、”吉里吉里鹿子踊り”に参加させてもらっていた。地元の小中学生は、半数くらいの子がこの3つのどれかに属していた。

夏祭りではこの3つに加え、御神輿、各丁目(1~4丁目)の小躍り会と屋台が練り歩くという、大変にぎやかなものだ。小踊り会が出るのは3年に一度、”盛り”と呼ばれる年に限定されていたのだけれど、これも近年では毎年出ることになったそうだ。

地元の小中学生は、鹿子/虎/神楽に属していない子たちも小躍り会に出たり、ボーイスカウトに入っている子はお客さんの誘導やロープ張りなどを担当する。これだけの人が参加したら、見る人がいなくなっちゃうんじゃないの?というくらい、街ぐるみのイベントなのだ^^;




大神楽の頭(左) 虎舞の頭(右)虎舞は普通は黄色。これはレプリカで白と黄色が対になったものの片方。
虎舞は浮き立つような太鼓のリズムと印象的な笛のフレーズで非常にノリがいい。

神楽と虎


吉里吉里鹿子踊りの頭。雄鹿子(おんじし・左)雌鹿子(めんじし・右)
これに”かんながら”をくっつけて、振り乱しながら舞う。遠野や花巻の鹿子踊りとは異なり、太鼓を叩く人は別にいる。鹿子踊りの最も盛り上がる演目に、”つのかき”というのがある。一匹の雌をめぐって二匹の雄が戦うというストーリー。とても勇壮かつ白熱した踊りを見ることができる。

獅子




・・・





お祭りの前日の夕方。宵宮祭(よいみやさい)とよばれる前夜祭が開かれる。
神社の境内で、鹿子踊り・虎舞・吉里吉里大神楽に浪板の大神楽を加えた4種の踊りを神様に奉納する。
元々どの踊りも勇壮で迫力があるのだけれど、やはりこの宵宮祭での踊りは格別に思える。かがり火の焚かれた幻想的な境内での舞いは、目の前で演奏される太鼓の腹に響く迫力ある音と相まってどれもとても見応えがあり、高揚感を感じずにはいられない。普段は木々に囲まれていて静かで広く感じられる境内も、このときばかりは人だかりができて熱気を帯びた”ライブ会場”と化す。今思えば、本当に地元の人しか見に来ない、いい意味で商業化されていない、昔からの姿を現代に伝えるようなスタイルの貴重なお祭りなんだなあと思う。


吉里吉里神社


境内。ここが宵宮祭の時には人だかりでいっぱいになる。前方に縄がはられ、その縄に向かう形で踊りが繰り広げられる。人々はまるく踊りを囲むようなかたちで、押し合いへし合いながら(笑)見守る。かがり火に照らされたはっぴ姿の吉里吉里のオナゴの顔はなんでこうも艶っぽいのかと、見る度に思いますね^^;

吉里吉里神社境内



僕はお祭りに向かっていくこの雰囲気がとても好きだ。数日前から街中に締め縄が張られ、”天照御祖神社”ののぼりが立ち、夜には街中から練習の太鼓や笛の音が遠く聞こえてくる。そこかしこから花火の音がきこえ、いつもは8時ともなれば静まり返る吉里吉里でもすこし遅くまで人々がおしゃべりしながら歩く音が聞こえてくる。

二丁目の下住宅から神社に続く通りにはちょうちんに明かりが灯っていて、その通りにある”松屋食堂”にかき氷を食べにいくのが最大級の夏の楽しみだった。”松屋食堂”のラーメンのことは何度も書いていたけれど、ここの”かき氷”の氷のサラサラ具合と言ったらもう、最高級である。ささっているスプーンを慎重に氷の中からすくい出し、あふれそうになる氷を軽く手で締めて、ちょっとずつ崩しながらいただくのだ(笑)ちなみに僕はイチゴにはミルクはかけない派。。





お祭り当日の日曜日。朝からそれぞれが街中を練り歩く。ちなみに先頭は”ひょっとこ”による”先踊り(さきおどり)”。お面を被ってヘンテコなうごきをしながらフラフラと道行く人の合間を行き、ストローでビール飲ませてもらったりしてはおちゃらけている。要するに、これから祭りが始まるよ!という注目を集めるためのピエロの役目←ウチの父親が時々やってます。

坂の多い吉里吉里だから、踊る方は移動も含めて大変だ。鹿子踊りでは頭の上に重い頭(かしら)を乗せているからなおさらだ。要所要所に休憩所が設けてあり、そんな踊り手をねぎらうように近所の方が氷水にジュースやビールを冷やして待っていてくれた。

街中の数カ所で踊りを披露し、最後のクライマックスは神社の前で鹿子/虎/大神楽が入り乱れ、暴れる御神輿を押して急峻な神社の階段を上がっていく。お祭りを通して一番盛り上がる瞬間だ。なかなか上がらない御神輿をどうにかして神社に無事に戻したところで、お開き。吉里吉里の夏が終わる。
にぎやかなお祭りが終わって静かになると、不思議と秋風が吹き始めて秋がやってくる、そんな感じだった。




・・・




最近になって、津波の後のガレキの中から鹿子踊りの太鼓を見つけてお祭りのことが頭をよぎったことを思い出した。鹿子の頭(かしら)や太鼓は無事だったろうか、神楽は?虎は拠点が4丁目だから無事なのかな、と。・・・
何人かの方から鹿子の頭は無事なんじゃないか、という話を聞いて、ああよかった、とすこしほっとした。
しかしお祭りそのものは、やはり今年は開催できそうにないことも聞いた。


お祭りの旗


今日で津波からちょうど4ヶ月。最近では、お祭りの話題になると「こういうときだからこそ鹿子とか虎とか神楽を見たいわねぇ」という声も、出てきているのも確かだった。


元々、鹿子踊りには”霊を呼ぶ”と書いて”霊呼(れいご)”と呼ばれる儀式がある。宵宮祭が始まる前、お寺に踊りを奉納するし、その年に初盆を迎えた家々を回って庭先で踊るということも伝統的に行われている。”祭り”には、祀る、つまり”祈る”というニュアンスが本来の姿なのだという文章を最近読んだことがあるけれど、まさに鹿子踊りはその”祈る”ということをより強く表現していることもあるのかなあと思った。

”祭り”というと、いまの感覚だと”フェスティバル”みたいに羽目をはずして騒ぐ、というイメージがあるために何かと自粛の対象になっている場合もあるけれど、そうではなく、”祈る”という本来の意味合いを果たす意味で、そしてなにより地元の人々自身を勇気づける意味としても、どこかの場面で鹿子踊り/虎舞/大神楽を見られる機会が作られることを切に願います。吉里吉里の祭りには、どこにも負けないパワーがあると思うから。


吉里吉里のお祭りがいつの日かまた見られるよう、応援したいです。




2007年夏、祖父の初盆の時に庭で”霊呼”をしてもらったときの写真です。

初盆1

初盆2

初盆3

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コメント

  1. 錆びた鉄人 URL -

    Re: 「吉里吉里祭り」考。

    祭りはそこに住む人の絆を再確認するイベントだし、こんな時だからやってほしいって気持ちは分かる気がしますね。

  2. gaahaa URL -

    Re: Re: 「吉里吉里祭り」考。

    錆びた鉄人さん
    > 祭りはそこに住む人の絆を再確認するイベント
    そうだよね。すごくいい表現だね。ありがとう。

  3. 越中褌 URL w/GX5jl.

    いゃー、懐かしい

    何度か、見た事が有ります。遠い昔。守る、伝えるって大変だけど是非伝えて欲しいですね。

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